「時間外手当なし」の時代
かつては、残業も休日出勤もいとわずに働くことが、勤勉さの証のように見られていたものです。今は状況一変、一般的には会社に長時間いる人は、仕事を効率よくこなせない人という判断をされる場合が多いようです。多くの企業では、残業や休日出勤といった時間外労働を減らそうという動きになっています。
プライベートの時間を大切にすることで、日々しっかりリフレッシュでき、結果仕事にも良い影響が出る…欧米のスタイルが少しずつ日本のビジネス界にも根付いてきたという面があるのでしょうか。それは表向きの言いわけで、実は、景気が低迷する中、労働時間短縮による経費の削減を狙うものだという見方もありそうです。いずれにしても、世の中的には時間外の労働は推奨されない流れになっています。
残業や休日出勤に対する手当てを一切出さないという積極策を取っている企業も少なくありません。時間外手当がなくなったことで、就業時間内になんとか仕事をこなそうと努力を始めた人も少なくないのではないでしょうか。そういう意味では、時間外手当の廃止は各自の仕事の効率化に対する意識を高めることに役立っていると言えそうです。
時間外の労働時間が多い仕事
そんな中、まだ残業・休日出勤を当たり前という業界や業種があります。特に条件的に厳しく見えるのは、ウェブのデザイン・システムに関わる仕事や、ソフト関連業務です。
一般的に働く人の7割近くが「残業ほとんどなし」という状況の中で、ウェブやソフト関連の現場では、毎日夜中までの残業をして、休日も返上で働いている人が多いと聞きます。常に情報の更新が必要な業界のこと、どうしても作業スケジュールもタイトになりがちなのは理解できます。
現場の人からは、「プロジェクト単位で動いているから、繁忙期と閑散期があり、計画的に大きな休みも取りやすい」というメリットも聞かれますが、多くの人から「周りが早く帰らず、自分も帰りにくい」「残業・休出当たり前の雰囲気が根強い」という不満が聞かれます。
常に新しい知識や技術を得る努力が必要とされる業界で、そのための勉強を懸命にやりながら仕事に打ち込んでいる人が多いだけに、こうした労働環境の悪さはなんとかならないものかと思いますが、仕事の性質上のことなどで改善しにくい要素があるものと思われます。夜型が多いとされるクリエイティブ系の業界の風潮が大きく影響している部分もあるのかもしれません。
見逃せない時間外労働の弊害
コンピュータの知識や技術を武器に活躍するウェブやソフト関連業界。仕事自体を楽しみながらプライドを持って働ける分、労働環境に対する不満については「仕方がないこと」と我慢をする人が多いようです。
私も以前、ウェブサイト運営の現場にいましたが、当初は労働時間の長さや条件の悪さは苦に感じたことはありませんでした。睡眠もそこそこに、ほとんどの時間を仕事のために費やす毎日。体に疲れを感じることはありましたが、それ以上に「仕事をしているんだ!」という充実感が大きかったように思います。3年ほどそんな状態を続けて体を壊してしまった時、いつまで同じ仕事が続けられるかと急に不安になったことをおぼえています。
若い間は、少々体に負担がかかっていても、睡眠時間や休息の時間が少なくても、やる気で乗り切れる部分が大きいと思います。無給で働く時間が長くても、「お金のために仕事をしているわけじゃない。好きな仕事ができるだけで幸せ」というような高揚感があったりもします。
けれども、こうした無理のつけは必ず後々になってやってきます。体だけではなく、精神的な部分にも、知らず知らずのうちに大きなダメージを負ってしまうことも少なくありません。長く充実した社会人生活を続けたいと望むならば、心身に無理なく続けられ、前向きな将来設計が描けるような仕事環境を得られるように、きちんとしたプランニングが必要です。
キャリアプランの見直し
もし今あなたが、ウェブやソフト関連の業界で、残業や休日出勤が当たり前の仕事をしていて、以前の私と同じような不安を感じているとしたら、今が将来に向けてのキャリアプランの見直しの時です。
今の自分の仕事に誇りを持っている、労働環境が厳しいからといって活躍する業界を変わる気持ちはないという人。「転職なんて全く頭にない」とお考えでしょうか。全く別の道を選ぶ再出発の転職は考えられない。同じ職種の転職だと、金銭面の条件がよくなることはあっても仕事環境は変わらないか、あるいはもっと厳しい状況になるだろう…そう考えてしまうと、転職はできなくなってしまいますね。
けれども、たとえばソフト業界でエンジニアとして働いているとしたら、現場の経験を活かしてグループをまとめる管理者を目指す、あるいはプランニングやプロジェクト統括を行う責任者的立場を狙うというキャリアアップが望めます。そういったキャリアアップのチャンスが見出せない職場で、長く厳しい条件で働いているならば、思い切って他の会社でのチャンスを探してみませんか?
現在の仕事内容にあまり執着がなければ、もっと積極的なキャリアチェンジの転職も考えられますね。
キャリアアップ・キャリアチェンジ転職への挑戦
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